デューデリジェンス(買収監査)で見られるポイント
基本合意のあと、買い手が会社の内容を詳しく確認する工程がデューデリジェンス(買収監査)です。ここでの発見事項は、価格や条件の見直しにつながります。
主な確認領域
財務
- 決算書と実際の残高の一致(現預金、売掛金、在庫)
- 役員貸付金・借入金の有無
- 回収不能となっている売掛金
- 在庫の実在性と評価(滞留部品、長期在庫車両)
- 簿外債務(未払残業代、未計上のリース債務など)
労務
整備業で指摘されやすい項目残業代の計算方法、みなし残業の運用、休憩時間の管理、有給休暇の付与状況、社会保険の加入漏れ。この領域は指摘が出やすく、金額に反映されやすい部分です。
- 労働時間の記録が残っているか
- 就業規則が実態と合っているか
- 時間外労働に関する協定の届出
- パート・アルバイトの社会保険加入
許認可
- 認証・指定の有効性と、要件(人員・設備・面積)の充足
- 整備主任者・自動車検査員の選任状況
- 特定整備の認証の有無
- 古物商許可、産業廃棄物に関する届出
契約・法務
- 不動産の賃貸借契約(譲渡後も継続できるか、承諾が必要か)
- リース契約の内容と、名義変更の可否
- 取引先との契約に、支配権の変更に関する条項がないか
- 係争中の案件、クレームの有無
事前に準備しておくべきこと
- 決算書3期分、試算表、勘定科目内訳書を揃える
- 労働時間・給与計算の記録を整理する
- 認証・指定に関する書類と、選任者の資格証を確認する
- 不動産・リースの契約書を集める
- 不利な情報こそ、先に開示する
最も避けたいのは、監査で不利な事実が「発見される」ことです。先に伝えていれば織り込んで交渉できたものが、隠していたと受け取られると信頼そのものを損ないます。
指摘は必ず出るもの
中小企業で、指摘がゼロということはまずありません。重要なのは、指摘の内容を把握し、対応方針を説明できることです。準備の質がそのまま交渉力になります。