ADAS対応のエーミング設備投資はどう判断すべきか
先進運転支援システム(ADAS)を搭載した車両が増え、フロントガラス交換やバンパー脱着のあとにエーミング(校正作業)が必要な場面が急速に増えています。この設備をどうするかは、多くの工場にとって重い判断です。
選択肢は3つある
1. 自社で設備を導入する
初期投資は大きいものの、作業を内製化でき、外注に出していた分が売上になります。エーミング作業には平坦な床面と一定の作業スペースが必要で、設備費だけでなく工場のレイアウト変更が伴うこともあります。
2. 外注で対応する
投資は不要ですが、外注費と作業日数がかかります。入庫から納車までの日数が延びるため、代車の回転や顧客満足に影響します。
3. 対応しない
短期的には成立しますが、対応できない車両が年々増えるため、入庫を断る場面が増えていきます。
POINT判断の軸は「あと何年この工場を続けるか」です。10年続けるなら投資回収は十分に見込めますが、3年以内に承継・譲渡を考えているなら、判断は変わります。
投資回収の考え方
ざっくりとした試算は次の要素で組み立てます。
- 月あたりのエーミング必要台数(現在の外注件数+断っている件数)
- 1件あたりの内製化による粗利増(外注費との差+工賃)
- 設備費・スペース改修費・教育費の合計
- 補助金を活用した場合の実質負担額
ADAS関連の設備投資は、ものづくり補助金や事業再構築系の制度で対象となる場合があります。制度を使えるかどうかで実質負担は大きく変わるため、投資判断の前に確認する価値があります。
承継・M&Aを視野に入れている場合
「あと数年で譲渡するなら投資は無駄では」と考えがちですが、必ずしもそうではありません。
- 特定整備(電子制御装置整備)の認証を取得していること自体が、買い手にとっての評価対象になる
- 逆に、対応していない工場は「これから投資が必要」と見なされ、その分が価格から差し引かれることがある
投資すべきか、対応済みの相手に譲るべきか。この判断は自社だけで決めず、買い手側の評価も踏まえて検討することをおすすめします。無料でご相談を承ります。